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新 謎解きはディナーのあとで 感想(ネタバレあり)

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謎解きはディナーのあとでの新章。本好きな方なら読んだことなくても名前は知っているはず。本好きでなくてもドラマでタイトルは知っているかも。面白さや独特の雰囲気は変わらず。

電車の車内広告で新刊の存在を知って「気になるけど新キャラが合わなかったらどうしよう」と躊躇していたけど、楽しさを知っているから買ってしまった。結果新キャラも好きになって内容も面白くて買ってよかった!

しっかり既存キャラクターに馴染んでいて、読み終わるころにはむしろもっと登場してほしいと思うまでになった。

ネタバレなしあらすじ

令嬢ながら刑事の宝生麗子。いつも通りの日常であったが風祭警部が戻ってきた!?

宝生麗子にも後輩ができ、新しいメンバーで事件に挑む。全5章。

ネタバレあり感想

風祭警部の帰還

最初から「ああ~こんな感じだった!」と懐かしくなった。

影山の毒舌は変わらず、長いリムジンも変わらず。最初からなんだか本庁に移動した警部のような電話が入る。なぜかよく知っている気がする。

現場では宝生グループよりも格下の金持ちが殺される。最初から新キャラの若宮愛理ちゃんが出てきた。最初の印象は良い感じ。不安に思っていたような感じではなさそうで安心した。

そして白スーツのあの警部が帰ってきた!

左遷のはずなのに自信満々なのは変わらず。麗子以外からは滅茶苦茶歓迎されててほっこりする。だから国立署の刑事たちはポンコツなのかもしれないが。

愛理ちゃんの天然キャラの場面が出てきたが基本風祭警部に対してでそれに麗子が絡むので、ボケとボケとツッコミのトリオ漫才を見ているようなリズミカル感があってよかった。ここら辺のテンポが癖になる。この章を半分読んだところで愛理ちゃんが好きになっていた。

 

あと風祭警部がお嬢さん呼びをすぐに謝って直したところが、憎めないところなんだろうと改めて感じる。自信満々だしポンコツだし推理は読者からしても完全に外れているけど、人物として憎めない部分が読んでいてストレスを感じさせない部分なんだと思う。

 

いつもの風祭警部のトンデモ推理のターンだが、ここで「警部が賢くなってる!?!?」と驚いた。先ほど読者からしても完全に外れていると書いたが、今回部分的にはあっているように感じる。すごい、警部でも成長するんだ…

ここまでで何となーくトリックが分かった。まだ警部には負けられない。

解決ターンだが影山がなんか前と違う?ようないつも通りなような。毒舌も変わらず「そうそうこのテンポが好きなんだよね」とわかっている楽しさをしっかり感じられた。

トリックも想像していた通りでスッキリした。

血文字は密室の中

最初から容疑者の取り調べで始まる。前章で好きになった愛理ちゃんがまだ新人感が大いに残っていて可愛い。なんだかんだ麗子も愛理ちゃんを可愛がっている場面がちょくちょくあって、麗子の新たな面を見れたように思う。

そして直接過ぎるダイイングメッセージ。いやそんなことあるか?と思うくらい直接的。

犯人に弄ばれるように容疑者を確保する刑事たち。絶対犯人ではないと思うが、もしかしたらと思ってしまう。これがミステリーのドツボに嵌った読者か…すべての可能性を捨てきれない。

 

間間に挟まれる警部と愛理ちゃんの茶番も可愛い。この漫才好き。そして少し流される麗子。自分はマトモだと思ってもすでにポンコツの仲間だ。

 

今回の風祭警部の推理はポンコツだった。

そして解決ターン。今作の影山の推理は麗子の参加型だった。なぜか真に迫る演技と共に真相を知らされる。ダイイングメッセージは偽装だった。そりゃそうだ。でもトリックは気づかなかった。発見者が関わっているように思ってはいたが、具体的な方法までは分からなかった。でも警部に負けたわけじゃなくてよかった。

墜落死体はどこから

なんだか見慣れたディナー風景から始まる。フォアグラ、お金持ちがよく食べているあれ。食べたことがないのでいつか美味しいフォアグラを食べたいと思っている。よく食べられているってことは美味しいってことだと思う。たぶん。

後から風祭警部がやってくるのだがこの場面で麗子と愛理ちゃんが仲良しな描写があって嬉しい。

墜落死体は落ちたと思われる時間にはすでに落ちていたらしい。中々難しい謎だった。警部の推理はいつも通り的外れだった。聞き込みをしていると死体が増えた。明らかに他殺で最初の墜落死体と関連していると思うのだが謎が難しく分からない。

 

ここで風祭警部が墜落死体の謎を解くための実演をする。なんだかんだ愛理ちゃんと警部の仲もいい。ノリノリなところも可愛い。正直今回の風祭警部は賢い。トンデモ推理ではなくて納得できそうな推理をする。ありそうなトリックで普通に悔しい。警部が実演するから影山も解決パートで実演するのか?

 

麗子も刑事たちも二つの死体の謎は分からないまま影山の解決パートに入る。今回は実演というより実際に現場に向かうスタイル。やっぱり二人の被害者は関連していた。トリックを聞いても難しい。最初に気づけた人はいるのか。

フォアグラ茶漬け気になる。

五つの目覚まし時計

目撃者の場面から始まる。軽薄そうな若者たちだと思っていたら警官だった。

 

麗子が職場に出勤するときに愛理ちゃんとドラマの話で盛り上がっているのが可愛い。新キャラとして不安に思っていたけどいい感じに場面に馴染んでいて、この章までに慣れてどんどん好きになっていった。それに風祭警部を二人して相手してないのも面白い。

 

今回の被害者は目覚まし時計を沢山所有していた。朝起きれない人として勝手に親近感がわく。私もスマホで1時間くらいを5分ごとにアラームをセットしている。時計を数種類買わなくてもアラームを別々に設定できるのはありがたい機能だと思う。

今回のようなシェアハウスだと容疑者が沢山いてミステリーとしていい舞台だと思う。関連があるのか、仲がいいのか、色々ストーリーがあって犯人当てが難しい。今作は住民の中でも4号室の木村が好きなキャラクターだった。普段がアホなキャラクター好き。

とりあえず5つの時計がカギなんだろうと思いながらも分からなかった。

 

スッキリする影山の解決パート。だから被害者の看護師はアナログ時計を使っていたのかと納得した。麗子と愛理の日常パートもしっかりと伏線になっていた。どれだけドラマの配信が後から見られるようになっても全くのネタバレなしで見たい人は放送時刻に見るしかない。その気持ちもわかる。

でもこのトリックはスマホがあると使えなくなってしまう。今でも目覚ましはスマホだけでアナログな目覚ましは持ってない人も増えてきたと思う。だからこのトリックもいつかは使えなくなる時が来るのかもしれないと時代の流れに少ししんみりした。

煙草二本分のアリバイ

今回は被害者がまだ生きていた時から始まる。これはミステリーなので死ぬやつは必ず死ぬのだが、山川君は後悔するんだろうなと悲しくなる。

 

麗子の推理と風祭警部の推理は大体同じ。わかる。麗子は散々ポンコツ推理とか言いながら自分も同じレベルだと気づいていない。そこが面白いのだが今回は作中で愛理ちゃんが指摘していて、影山が指摘するのとは違った面白さがあっていい。

煙草を吸う男が目撃者となるのだが、実際煙草を吸う時間ってピッタリ四分くらいなのだろうか?

そこだけ気になる。身近で吸っている人はかなり短時間なので信用できないように思う。

 

このシリーズの好きなところは、この目撃者もそうなのだが登場人物が常識を持っているところだと思う。今回も目撃者は夜間で住宅街だから大声を出すのを控えたとか。そういった細々とした常識があるところが好きだなあと思う。小説だし、フィクションなのだからそこは感情的にしてもいと思うけど、これが読んでていいなあと思っていて、疲れている時とかに読みたくなる。日常生活で感じた、小さいけど思い出すとイライラするストレスを思い出すことがないから疲れている時に癒しとして読みたくなる。

 

麗子と愛理ちゃんの聞き込みの結果は風祭警部にいいとこどりされた。この場面で警部の「節穴」発言に対して愛理ちゃんが烈火のごとく怒る。麗子は影山の過去の発言を思い出していたのだが、愛理ちゃんは何を思い出していたのだろうか。もしかして麗子みたいにお金持ちだったり…?ここだけなんだか謎が残ってる。でもこの章までそんな予感は見せなかったから単純なことかも。にしても気になる。

 

風祭警部によるとアリバイのない容疑者一人が犯人であるという推理。ここまでの情報を合わせると確かに筋が通っているような。でも風祭警部の推理そのままなんてあるはずがない。でも分からない。悔しいが私より風祭警部の方が頭がいい。

影山の解決ターンに入る。執事らしく煙草は吸ったことないらしい。むしろスパスパ吸っていてもそれはそれで面白いけど。麗子も同じ意見らしいが犯人は分からない。影山の推理は最初の山川との会話にヒントがあるという。ここで被害者は現代的な機能を使っていたのだと判明する。現代的すぎて出てこなかった。

 

犯人の目的はチケット。いやそんなことで?と思ってしまう。人を殺した後に楽しめるものなのか。

最後の影山と麗子の会話もほっこりして、一冊の終わりにいい会話だと思う。

 

最後に

新キャラの存在は本当に不安要素だったけど、作風なのか表現が上手いのかスルッと馴染めた。天然のキャラクターって幅広くて合う合わないがある。特に私は天然のキャラクターを苦手になることが多いこともあって最初説明を見たときは「うわー天然キャラかー」と少しがっかりした。キャラクターが苦手になると続きを読み進めることが辛くなってシリーズから離れてしまう。好きなシリーズだけに続きを読むのが苦痛になることは悲しい。

でもそんなことなくて愛理ちゃんはすぐに好きになった。

多分周りの人たちのキャラが濃いから天然が霞んでるんだと思う。そういうの大好き。それに風祭警部も天然といえるような…ポンコツといったほうがいいような…

 

愛理ちゃんに関する謎?みたいな部分があったので次で解決されるといいなーと思うし、引っ張ってどんどんシリーズが増えても嬉しい。愛理ちゃん本当にいいキャラだったのでもっと活躍する場面が見たい!でもこのシリーズだと活躍?といったほうがいいかも。

 

とても面白くて楽しかった!

この記事を書いた人

英語力がようやく普通の人になれた一般人。ミステリーが好きだが他のジャンルも読みたいと思っている。
世界遺産検定 2級
色彩検定   2級
FP      3級
簿記     3級   保持
簿記2級挑戦中

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