あの有名な十角館の殺人の感想
できるだけ読んでいない人には伝わらないようにはしていますが、ミステリーなのでどうしてもネタバレとなってしまうところ、ネタバレと感じてしまうところがあります。まだ読んでいない方はもうすぐ映画も公開されるので、ぜひこの機会に読んでみてください!
読んだきっかけ
推理ものとして有名な小説。
最初に知ったきっかけは覚えていませんが、有名なミステリー小説というのは知っていました。最初に読んだきっかけは、有名だから読んでみたいなというふんわりした理由です。
あらすじ
角島の十角館を訪れた6人の大学生。一人ずつ殺されていく。果たして犯人は誰なのか。
ただの大学生の合宿が、島にも秘密があり、サークルメンバーの過去も明らかになる。最後に読者を待ち構えているのは衝撃の一言!
1987年出版の「館シリーズ」の1作目となります。作者は綾辻行人先生です。あまりにも有名すぎますね。あまり本を読まない方でも、アニメ化された「Another(アナザー)」の作者さんといえば聞いたことあるでしょうか。
36年前の作品ですが今年映画公開です!読むなら今!!!!!
感想
この作品は十角館が建っている角島と本土での両場面で話が進んでいきます。
6人の大学生は推理研に所属し、それぞれ有名なミステリー作家の名前をあだ名として用いています。学生の時に読んでいなくて良かったです。真似して黒歴史を作っていたかもしれません。
本土の二人の大学生もミステリー作家の名前になっています。江南君と守須君どちらもコナンとモーリスと読めます。ミスリード要素として必要だったという理由があると思いますが、ミステリ研究会に入るにあたってこの名字は勝ち組がすぎませんか!?もし自分が同じ大学でミステリ研究会に入ろうと思っていたら、この二人の名前を聞いてすごすごと帰っているくらい威圧感ありますよ。現実に存在していたらSNSでバズリそうですね。ミステリ研究会のコナンとモーリスで。YouTuberやってたらチャンネル登録したいくらいキャッチーです。
本土では、島に行かなかった学生2人と、これからシリーズを通して探偵役となる島田潔が館について調べていきます。館の建築家の中村青司の事件も出てきます。のちのち「館シリーズ」を読んでいくと思ったより重要人物だったことがわかります。これから先の館の建築をほぼほぼ担当した人です。本作では既になくなっていますが、随分と変な館ばかり造っていました。館シリーズはまだ途中までしか読んでいませんが、作る方も買う方も変な人が多かったですね。普通の戸建てを買うのですらやっとな庶民にはついていけない世界です。
一人ずつ死んでいくというのは『そして誰もいなくなった』のオマージュですが、それもちょっとしたミスリードになっているように感じました。実際に自分がやられたら怖くてたまらない殺害方法ですよね。
トリック自体は思っていたより力技でした。根性とやる気が無いと犯人は務まらないということでしょうか。この計画をしてやり遂げた犯人はすごいです。
途中で犯人の思考パートが読めて騙されやすいので、しっかり理解しながら読んだ人は最後の衝撃がよりすごそうです。
犯人も運を天に任せて、瓶が自分に返ってくるところは良かったです。薄々逮捕されるのだろうとわかりながらもその場面が明示されていないことで余韻を感じながら読了できて満足感がすごごかったです。
島サイドでは順調に一人ずつ死んでいく、反対に本土サイドでは謎がひとつづつ明らかになっていく。この対比がドキドキして読んでいて楽しいところでした。
自分の記憶能力がポンコツすぎる
既に読了した人ならわかる「あの一言」実は、最初読んだときは全然ピンときませんでした。
理由は、完全に自分の頭の中で島と本土の話が切り離されていたのと、ニックネームと本名がいまいち符合していなかったからです。読んだだけでわかるめちゃくちゃ重要そうな一言なのに、全く良くわかっていなかったので3回くらい読み直しました。3回目でようやくなんとか意味を理解して読み進め、犯行の解説っぽいところでようやく理解しました。
よくわからない感じで読んでしまったので全然衝撃は来ませんでした。どちらかと言うと自分の理解力の無さに衝撃が来ました。
わかってない人のためにあるのではないかと思うくらいに、犯行パートはすごいいい配置をしていますね。正解がわかってありがたいです。
読了してみて
ミステリーはここ数年で読み始めたので、流行りなどはさっぱりなんですが、十角館から始まる「館シリーズ」の噂は聞いたことありました。毎回気になってはいましたが、読んでみて良かったです。タイトルを見るたびに「いつか読もう」と思っていた重しが一つ外れました。
36年前とか聞くと古いのかなとか思ってしまいますが、今読んでも普通に面白い。今の小説は今で(トリックとかに携帯やSNSが使われて)面白いのですが、面白い小説って時代は関係ないんだなあと感じますね。
サムネイルの謎、気付いた人いますか?
サムネイルの十角形。実は赤く囲ったところだけが十一角形なんです。気付いた方はいるのでしょうか。
小説の中で十一角形が鍵となっていたので入れてみました。他は全部十角形です。
読んでいるときは「いやー流石に気づくでしょ」と思っていましたが沢山あると案外分からないものですね。コップだとなおさら気づかなそうです。
十角館の殺人に関しておすすめ本
今作のオマージュと言われているアガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』
こちらも孤島の中で1人ずつ死んでいきます。あまりにも有名ですが『オリエント急行殺人事件』よりはトリックが知られていない作品(だと思っています)
「トリックや内容を知っているからいいや」と思っている人にこそ、読んでみてもらいたい作品です。
私は以前、ドラマ化された時に初めて読んでみました。内容を知っているつもりで全然知らない話で驚いたことを覚えています。(読んでみるまでずっと犯人が最後に残っていると思っていました)
沢山のオマージュや映画化、ドラマ化される訳だと納得する作品です。
十角館の殺人、実はコミカライズされています。
登場人物がみんな美男美女で読んでいて楽しそうです。今話題だから読んでみたいけど、文字を読むのはあんまり好きじゃないという方はこちらで楽しむのもいいと思います。
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