ちょっと前?にあまりにエモい出来事に遭遇して、自分の心の中にとどめて置くにはもったいないと思って書く話。
話の都合上のび太の新恐竜のネタバレが入ります。
自分語り
あれは2020年の「映画ドラえもん のび太の新恐竜」を見に行ったときのこと。
私はすっかり成人した大人だったけど、映画ドラえもんはタイミングがあったらたまに見ていた。映画館で映画を見るという行為が好き。そんな私はドチャクソ感動する話とか、悲しすぎて涙がドバドバ出る映画はあまりにも体力を使いすぎて事前情報なしには見れないのだ。
そんな私にも映画館で映画を見たい!という気分の時に上映していたら大体見る映画がある。
名探偵コナンと映画ドラえもんだ。それがなければ派手なアクション映画。
どれも大体安定して面白くて、悲惨な最後とか嫌な気持ちになって疲れることはない。映画館を出る時にちょっとスッキリして、気分良く帰れる映画だと思っている。(それにもし見れなくても1年後くらいにサブスクで配信されるので、見れなかった後悔があまりないのもポイント高い)
ちょうど時間があって映画館で映画をみたいな~という気分だった時に上映してたのが「映画ドラえもんのび太と新恐竜」だった。
映画館で映画を見るという行為ができれば、見る映画なんて何でも良かった私はドラえもんを見ることにした。
子供向けの映画で大人げないと思われるかもしれないが、映画は縦からも横からも真ん中で見る主義の私はしっかり真ん中の席をとった。上映開始の時間までこれから映画を見れるんだ~という気分に浸りながら時間を潰した。
自分でチケット取って勝手に恥ずかしがる
入場開始の時間になって指定されたスクリーンへ入るとお子様だらけ!公開されてそんなにたっていない平日だったので9割以上は親子連れ。確か小学校はもう春休みくらいだったように思う。その中に一人成人女性が張り切ってポップコーン持って入るのは気まずい。上映前から勝手にめちゃくちゃ恥ずかしくなっていた。あまりに恥ずかしくて他にお一人様の大人がいないかと思って見ていたら、50代後半くらいのおじさんが一人で入ってきた。ポップコーンも飲み物も持っていない。ただ漂う風貌から完全に業界の人っぽい。となると完全にドラえもんの映画を楽しみに来た大人は私一人……。
まあ映画館なので席に座ってポップコーンを食べればもう完全にリラックスして上映開始を待っていた。
かわいい
子供向けの映画のいいところはポップコーンをバリバリ食べていても、確実に私よりうるさく食べる子どもたちがいるのでどんな場面でも気兼ねせずに食べれるのがいいところ。大人向けの映画と違って、始まる前の静かな場面でもそこら中から聞こえるポップコーンをバリバリむしゃむしゃと食べる音を聞きながら、もはや家と同じレベルでリラックスしながら鑑賞する。
笑える描写のところで子どもたちのクスクス笑う声が聞こえてきて、勝手にほのぼのとさせてもらう。たまにジャイアンとかスネ夫の意地悪に対して「だめだよー!」とか声が聞こえてくるのもかわいい。隣で親御さんが必死に「しー!!」とか言ってるけど、意地悪に対してだめってちゃんと言える子はすごいよ。ちゃんと良い教育をされているんだってわかる。親御さんが多いからか、シアター全体がなんとなくほっこりした雰囲気に包まれたように感じた。
ただただ純粋に映画を楽しむ子どもの声も聞けて映画の値段以上に楽しんでいた。
ネタバレ!
ちょっと風向きが変わってきたのはラストスパートに入る少し前。
恐竜の映画3作目
実はドラえもんの映画で恐竜がテーマなのってこれが3作目。最初が1980年公開の最初のドラえもんの映画作品。次が「映画ドラえもんのび太の恐竜2006」タイトルにもある通り2006年に公開。
2作目は1作目のリメイクで、出てくる恐竜は1匹でピー助という名前。
3作目の恐竜は2匹でキューとミューという名前なので、話が似ているように思えて細部はちょっと違う。
親の涙腺崩壊
映画ドラえもんにありがちな、これはもはや死ぬのではレベルのピンチに陥るのび太。
そこに現れるピー助!!!!!お前!!!!お前!!!!!ピー助じゃないか!!!!
明確にピー助だって分かる描写は少なかったけど、一回でも2006年の映画を観た人なら絶対わかる。特徴的なピー助の鳴き声。
ここで親の方の涙腺が崩壊した。あちこちからから聞こえてくるすすり泣く音。子どもが泣くときはもっと遠慮なくバァバァー泣くので、周りに迷惑にならないよう押し殺して泣くのは親の方しかいないのだ。
というより子どもの方は頑張るキューとミューの方で既に泣いていたから違いがより分かりやすかった。
一瞬の登場で親の涙腺を崩壊させていくピー助に対して子どもはシビア。何だこいつって感じで子どもの泣き声は一瞬止まっていた。そこに響く親御さん達の鼻をすする音。私も例に漏れずうるっとした。うるっとしただけで済んだのは2006年の方をあまり覚えていなかったから。しっかり覚えていたら大号泣だった。
私の涙腺に一番ダメージを与えた時
ドラえもんにありがちな普通にちょっと感動的に終わった映画。私の涙腺をあわや崩壊させそうになったのは映画の後だった。
映画が終わった後、私は大人だし急ぐ用事もないし最後あたりに出ようと思って座っていた。
パラパラと人が帰っていく中で、不意に近く座っていたお父さんと小学低学年ほどの男の子の親子連れの会話が聞こえてきた。
「ピー助って?」
「途中で出てきた恐竜。お父さんが小さい頃観たドラえもんの映画に出てきたんだよ」って。
(意訳:こんな感じのことを言っていた)
その声が嬉しさを含みながらも懐かしい感じで話していて。ピー助が出てきた感動と、2006年の映画を観ていた世代が父親になっている驚きと、その親と子どもが同じドラえもんの映画を観ている感動で泣きそうになっていた。そのお父さんが大人になってもまだ覚えてるくらい思い出に残っている映画だったんだなと思うと余計に泣けてきた。親子で感動できる映画って他にないよ。しかもほのぼのした絵柄のドラえもんだからなおさら涙腺にきた。勝手に感動して瞬きしたら涙がボロボロこぼれ落ちそうになるのを必死に堪えていた。
すすり泣いていた親の涙も引っ込んでたのに最後に一人ボロボロ泣いた大人が出てきたら怖いじゃん。
めっちゃ涙を堪えて頑張って外に出て、そのままティッシュを持っていなかったので、トイレに行って10分ぐらいエモさで泣いてトイペで鼻をかんでた。
発言の細部は残念ながら忘れてしまったんだけど、今でもあの時の懐かしさと嬉しさを含んだ声のトーンを思い出すとちょっと泣けてくる。今の記事も書いてる途中で若干泣いた。
サブスクでドラえもん映画はよく見るけど、まだ「のび太の新恐竜」は見れていない。
おわり
もうこの映画を観た時が!!!すごいめちゃくちゃとても良くて!!!!!!!
毎回機会があれば人に言っているんだけど、言いたいことの半分も言えなくてもっと伝えたくてブログに書くことにした。親が小さい頃に見た映画の新作を子どもと一緒に映画館で見れるってめちゃくちゃ良くない??!!?!?!しかも親が見た時のキャラがちょっと出てくる!!!
全部がいい体験で結構しっかり覚えていたのにもう4年前ってことに驚愕。びっくりしすぎて椅子から転げ落ちるかと思った。年月が経つの早すぎ。
こうやって人はどんどん年を取っていくんだな。
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